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卒論の参考文献ってどのくらいが適切なの?

卒業論文、参考文献はどのくらいにすべきか。

卒論の参考文献ってどのくらいが適切なの?

参考文献数の多さが重要なのでしょうか。それとも、参考文献に挙げた論文が有名な論文や権威のある研究機関の論文であることが重要なのでしょうか。また、卒業論文のどの章に関する参考文献に多いことが重要なのでしょうか。その辺りを分かり易く述べて行きたいと思います。

1. 序論関係で必要な参考文献
卒業論文の序論では、研究背景や研究目的、自分の卒業研究の範囲等を記載していく章です。その為、文献として調べる範囲は、研究室の教授、助教授、あるいは諸先輩方が学会で発表した口頭発表論文から学会誌に投稿した論文だけでなく、研究室内の卒業論文、修士論文、博士論文等が対称範囲になるでしょう。

中には、この論文を読んでおく様にと言われる先生方もいらっしゃるでしょう。注意しておきたいのは、自分が卒業論文を執筆する際に、その研究動向に合った他機関、自身の研究室をアピール、研究の信憑性、正確性に合った文献を列挙することが重要です。

具体的な例を挙げると、理論解析的な数値計算を行なう研究で合った場合、一番の元になっている文献であれば、非常に古い論文ですが、有名で、かつ、権威があると思われる文献は参考文献の一つとして挙げた方が良いでしょう。また、現在において、色々な近似モデルなり、現在において、活発に研究活動を行なっておられる先生方の論文を参考にしたのであれば、そういったものも挙げておくべきでしょう。

つい最近の話で、歴史関係に関する研究であれば、東京の方で有名な先生が、明智光秀の居城や光秀に関する古文書が新たに見つかり、今は、諸説色々ある中で、その研究分野で有力とされている説を幾つか述べておられました。そういうケースは、ホットになっている説に関する文献を挙げておくのが良いでしょう。

2. 研究結果や考察に関する参考文献
自分自身が出した実験結果や考察が正しいとどう説明すれば良いのでしょうか。予め、理論値が分かっている、あるいは大学の学生実験等はどうなるべきかが既に分かっている事象です。しかし、研究というのは、分からないから研究を行なうのであって、それが必ずしも正しいとは言えない場合が多いです。

ある薬剤師さんとお話をした際、論文として投稿はされているものの、エビデンス(その結果の信憑性、確からしさ)に欠けるものもあり、日本で実際に臨床実験を行なう必要があるから、投稿されている論文が、日本人にも、世界中の人に効果があるかどうかは分からないケースがあるという話をされていました。

これと同じことが、卒業論文を執筆している自分自身にも問われることになるのです。出てきた結果、考察が論理的に正しいと言えるのか、自分のやったこととはモデルが多少は異なるケースではあるものの、同じ様な考察のやり方で、似た様な結果を出している論文があるか否かが必要になってきます。そういった自分の結果・考察の妥当性を示す際に参考文献が役に立つケースがあり、関連する参考文献は卒業論文に列挙しておいた方が良いでしょう。

よって、研究結果・考察に関係する参考文献は、他機関や他大学の方が有効的であることが理解できるでしょう。ここで、他機関・他大学の論文が多い程、貴方が出した研究結果・考察が正しいと読み手は感じることでしょう。

3. 実際に論文の中で何件ぐらい挙げているのが適当なのか
結局、一番知りたい事はここではないでしょうか。ある理工系の学会が毎月、発行している論文誌では、大体、参考文献5件~20件の範囲が多いです。論文誌の執筆ページも少ないので、博士論文の様なページ数の多いものではないです。これまで、見てきた経験から、卒業論文では5件から10件程度が多かった印象があります。参考文献5個はちょっと少ないなと感じるので、10件から15件が目標でしょう。少ないからと言って、諸先輩の卒業論文や修士論文等で、文献稼ぎは止めましょう。先生方は見ている所はきちんと見ておられるので、そういう行為はばれてしまいます。研究を行なっている仮定で、数10個の文献は内容を全て理解したかは別にして、目にしているはずでしょう。

序論でも5件は卒業論文に列挙できそうな文献は挙げることはそれ程、難しくはないでしょう。同様に自分の研究テーマを絞り込むために、他の人の文献も見ているはずなので、研究結果・考察の処で5件の文献を挙げることはそんなに難しい事ではないでしょう。

注意してほしい事は、最近、インターネットの発展により、インターネットの記事も参考になりそうなものがある、今の動向調査に役に立つと感じるものもあると思いますが、そういった記事のURLに参考文献として、列挙するのは避けましょう。各省庁のパブコメ等は序論の処で参考文献に挙げることはあります。

後から、載せない、削除することは容易ですが、増やすことは難しいです。その為、卒業論文の執筆中に迷うものはとりあえず、記載しておいて、最後に削除するのがコツです。また、研究テーマを決める段階から、文献はできるだけ多く集め、読んだ方が良いか、読む必要はないかも把握しておくと良いでしょう。読んだ時に後で役に立ちそうな処に付箋でも張って、ファイリングしておくと、後の手間が省けます。執筆段階になって、「あの文献はなんだったっけ、どの文献だったかな」というリスクを軽減できます。
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