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卒論における、「問い」の例ってどのようなもの?

こんにちは、皆さん。卒業論文(卒論)を作成する際、研究の「問い」を明確にすることは非常に重要です。良い問いは研究の方向性を定め、論文の質を高めるための基盤となります。今回は、「卒論における『問い』の例」について具体的な例を挙げながら、その特徴や設定方法について詳しく解説します。

1. 研究の問いとは?
研究の問い(リサーチクエスチョン)とは、研究の目的や目標を具体的に表現したものであり、研究の焦点を明確にするための指針となります。問いを設定することで、研究の範囲や方向性が明確になり、効率的に進めることができます。

1.1 良い問いの特徴
良い問いには以下のような特徴があります。

明確で具体的: 問いが明確で具体的であることで、研究の焦点がはっきりします。
研究可能: 問いが実際に研究可能であること。つまり、必要なデータや情報が入手可能であり、適切な方法で研究が進められること。
意義がある: 問いが学術的、社会的、または実践的な意義を持っていること。研究結果が新しい知見を提供する可能性があること。
2. 卒論における問いの設定方法
問いを設定する際には、以下の手順を参考にすると良いでしょう。

2.1 テーマの選定
まず、興味のあるテーマを選定します。テーマは広くても構いませんが、最終的には具体的な問いに絞り込む必要があります。

2.2 先行研究のレビュー
テーマに関連する先行研究をレビューし、既存の知見や研究のギャップを把握します。これにより、どのような問いが新しい知見を提供できるかを考える手がかりが得られます。

2.3 問いの具体化
テーマと先行研究を踏まえ、具体的な問いを設定します。問いを具体化する際には、「何を」「どのように」「なぜ」という視点を持つと良いでしょう。

2.4 フィードバックの活用
指導教授や仲間からフィードバックを受け、問いが明確で研究可能であるかを確認します。必要に応じて問いを修正します。

3. 問いの具体例
ここでは、さまざまな分野における具体的な問いの例を紹介します。これらの例を参考に、自分のテーマに合った問いを設定しましょう。

3.1 社会科学分野の例
例1: 社会学
問い: 「都市部における若年層の失業率は、どのような社会経済的要因によって影響を受けるのか?」
背景: 若年層の失業は深刻な社会問題であり、経済格差や教育機会の不平等が影響しているとされる。
意義: 若年層の失業対策のための政策立案に貢献できる。
例2: 政治学
問い: 「選挙制度の違いは、有権者の投票行動にどのような影響を与えるのか?」
背景: 比例代表制と小選挙区制の違いが投票率や投票行動に与える影響を調査する。
意義: 選挙制度改革の議論に新たな視点を提供できる。
3.2 自然科学分野の例
例1: 生物学
問い: 「都市環境は、鳥類の繁殖行動にどのような影響を与えるのか?」
背景: 都市化が進む中で、鳥類の行動や生態にどのような変化が生じているかを調査する。
意義: 都市生態学の発展や環境保護政策に貢献できる。
例2: 物理学
問い: 「異なる材料の熱伝導率は、どのように変化するのか?」
背景: 新しい材料の開発において、熱伝導率の特性を理解することが重要。
意義: 新素材の応用や開発に役立つ知見を提供できる。
3.3 人文科学分野の例
例1: 文学
問い: 「19世紀イギリス文学における女性の役割は、どのように描かれているのか?」
背景: フェミニスト批評の視点から、女性キャラクターの描写を分析する。
意義: 女性の社会的地位や役割に関する新たな理解を促すことができる。
例2: 歴史学
問い: 「第二次世界大戦後のヨーロッパ復興は、どのような経済政策によって支えられたのか?」
背景: マーシャルプランなどの経済政策がヨーロッパ復興に果たした役割を検討する。
意義: 戦後復興の成功要因を明らかにし、現代の復興支援政策に示唆を与える。
3.4 工学分野の例
例1: 機械工学
問い: 「異なる潤滑剤の使用は、機械部品の摩耗にどのような影響を与えるのか?」
背景: 機械の寿命を延ばすために適切な潤滑剤の選択が重要である。
意義: 機械保全や効率的な運用に貢献できる。
例2: 電子工学
問い: 「ナノテクノロジーを用いた新しい半導体材料は、従来の材料と比べてどのような特性を持つのか?」
背景: 半導体技術の進歩により、新しい材料の特性が重要視されている。
意義: 次世代半導体の開発に役立つ知見を提供できる。
4. 良い問いを設定するためのアドバイス
4.1 具体的で明確な問いを設定する
問いは具体的で明確に設定しましょう。漠然とした問いでは、研究の方向性が不明確になりがちです。

4.2 研究可能な問いを選ぶ
実際に研究可能な問いを選ぶことが重要です。データや情報が入手可能であり、適切な方法で研究が進められるかを確認します。

4.3 先行研究を参考にする
先行研究を参考にし、既存の知見や研究のギャップを把握しましょう。これにより、独自の問いを設定するためのヒントを得ることができます。

4.4 フィードバックを活用する
指導教授や仲間からフィードバックを受け、問いが明確で研究可能であるかを確認します。必要に応じて問いを修正しましょう。

4.5 自分の興味や関心に基づく
自分の興味や関心に基づいた問いを設定することで、モチベーションを高く維持しながら研究を進めることができます。

まとめ
卒論における「問い」の設定は、研究の成功に直結する重要なステップです。良い問いを設定することで、研究の方向性が明確になり、質の高い論文を作成することができます。具体的な問いの例を参考にしながら、明確で研究可能な問いを設定し、自分の研究の意義や目的を見失わずに進めていきましょう。

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